2022-06-01
水曜日の鳥栖戦で大きな悔しさが残った鹿島は、この試合では前半からいつも以上にアグレッシブな戦い方を見せていた。
しかし、待っていたのはまさかの同じ展開だった。
主導権を握り、ゴールに近づいていた鹿島だったが、33分に渡邊凌磨に先制ゴールを許すとトーンダウンしてしまった。すると、42分にはアダイウトンの個の力を見せつけられたところから再び渡邊にゴールを奪われ、前半で2点のビハインドに。2試合続けて同じ展開としてしまったことに選手たちは下を向くことが多くなった。
フォワードの上田綺世は試合後「前から守備に行って、攻撃もアグレッシブに前に前に、というサッカーを90分できるわけではない。それをしなくなった時間帯にどう戦っていくか、がまだチームとして徹底できてないと思う」と振り返ったが、快晴で28℃を記録したこの日のスタジアムではそれがいつも以上に難しかった。
レネ・ヴァイラー監督のハーフタイムコメントの中には「まず、自分たちのできること、やるべきことにフォーカスすること」「決して下を向かず、戦い続けよう」というものがあり、選手たちは後半開始から再び顔を上げて前を目指した。
ところが、またもアダイウトンにやられてしまう。ラインを割ろうかというボールを爆発的なスピードでコントロールされると、一気に前進されてエリア内へ。ブエノが懸命に止めに行ったもののPKの判定となり、52分、ディエゴ・オリヴェイラがそれを確実に決めて3-0。またしても3点を追いかける試合になった。
■悔しさの残る試合が続いてしまった
直後の54分には上田がゴールを奪い、ここから鳥栖戦と同じく猛反撃を見せたものの、東京はそれ以上のスコアの変化を許さず。試合はそのまま終わりを迎え、悔しさの残る試合が続いてしまった。
試合後、ヴァイラー監督は「点を決められなかったとしても、それでもやり続けること。自分たちの良い流れを続けることが大事になってくる」「失点のあと、自分たちからそれを信じて続けることが、今ちょっとチームに足りない」と、同じような試合が続いてしまっていることについて自分たちの弱い部分を挙げた。
その部分でキーパーソンになっていくのは三竿健斗と鈴木優磨だろう。
前節の試合後、自分たちがしてしまったことを「弱いチームのすること」と評した鈴木は、この日もキャプテンマークを巻いてスタメン出場。ゴールから離れた場所でチームのために働く場面が多かったが、チームメイトがせっかくのチャンスをフイにしても、もどかしさを押し殺してサムアップポーズを送り、続けることを促した。